実家を売るつもりはありません!それでも実家信託をやっておいた方がいい理由

実家を売るつもりはありません!
それでも実家信託をやっておいた方がいい理由


こんにちは、司法書士の友田です。

実家信託は、親の認知症が悪化して、
契約することが難しくなった場合でも、
子供が実家を売ることができるように
しておく対策です。

実家を売って得たお金は、
親の生活費や医療費、老人ホームの施設費用などのために
使っていくことが出来ます!

この話をすると、

「実家を売るつもりはありませんので!」と
言われることがあります。

でも、それでも、実家信託をしておいた方が
良いと思います。


その3つの理由を、お伝えしていきます!

3つの理由

(1)家を売るリミットは3年
(2)空き家コストがあなどれない
(3)売るかどうかの結論を先延ばしできる



一つずつ見ていきます!

(1)家を売るリミットは3年


これは、親が施設に行って住まなくなってから
3年以内に売ったほうが、
売買代金の手残りを多く残せ、ベターだからです。


住んでいた自宅を売却するときに利用できる重要な特例に、

『マイホーム特例』

があります。

これは、住んでいた自宅については、
「売れた金額」から「買ったときの金額」を除いた利益の部分が
3000万円までは、譲渡所得税を課税しませんというものです。

譲渡所得税は、結構負担の大きい税金で、
仮に3000万円の利益が出た場合には、
約600万円となり、納税をしなければいけません!

この『マイホーム特例』は住まなくなった日から3年を
経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件

となっています。

しぶしぶ自宅の売却を決めるタイミングは、
親の老人ホームなどの費用を工面する目的であることが多く
手残りが多いことに越したことはありません!


(2)空き家コストがあなどれない


不動産は持っているだけでも、費用がかかります。


・固定資産税・都市計画税
・水道光熱費
・火災保険料

また、不動産の所有者である親には、
不動産を適切に管理する義務も発生します!


もしも、老朽化しているのを放置し、
突風により瓦が飛び、人に怪我をさせてしまった場合には、
損害賠償責任を負います!

老朽化を防ぐためには、
換気や通水(空き家の水道管に定期的に水を流す作業)が
かかせません。最低でも月1回は行うことが推奨されています。

しかし、そのためには実際に空き家に訪れ、
作業をしなければなりません。
時間も手間もかかります。

ALSOKやセコムに頼むこともできます。
その場合にはおよそ月額1.5万円の費用が
発生します(各社HPより)。

1例ですが、都内に親の実家がある場合の目安です!

・固定資産税・都市計画税 年間15万円程
・水道光熱費 月額5千円程→年間6万円
・換気や通水など 月額1.5万円程→年額18万円

上記のトータルだけでも、
1年で40万円近くの費用が年間かかる計算になります。

5年間維持するために、200万円の費用が必要になります。

これに加えて、火災保険料は住む人がいなくなり
空き家になってしまうと保険料が高くなり、
その費用も上乗せされます!

マンションの場合には、管理費や修繕積立金も
加算されます。

もしも庭があれば、庭の手入れなどの手間や費用もかかってきます。

このような、空き家になったあとの維持コストは
なかなか、無視できない金額になります。


実家を売却することによって、上記の維持コストの負担も
止めることが出来ます!

(3)売るかどうかの結論を先延ばしできる


実家信託をしたからといって、必ず売るわけではありません!


老人ホームに行くことなく、天寿をまっとうされ、
不動産を売ることなく、子供世代に承継された方もいました。

重要なのは、売るかどうかについて、
「今決めなくても良い」ということだと思います。


実家って特別なものです。

思い出もつまっていて、
なかなか積極的に売りたいと考える方は
少数派なんだと思います。

それでも、親の老人ホームの費用を捻出するためや、
実家を維持していく費用が大きくなってしまうためなどの理由から、
思い出のある実家を泣く泣く手放すことを決めます。

しかし、対策をしておらず、
所有者である親の認知症が悪化し、
契約能力が難しくなると、
売ること自体が難しくなってしまいます。


介護をしてもらう子供に対して、
「最後は実家を売ってお金を捻出する」方法があるという
安心感につなげるためにも、実家信託をしておいた方が良いのです。

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