「受託者を二人にしたい!」実務上の問題点と解決策を解説!【家族信託】

「お母さんの介護を妹と2人で協力して行う予定です。
ついては、受託者も2人にしたいと思うのですが可能ですか?」

相談者の方からよくいただく質問です。

受託者を2人にすることは
私どもではお勧めしておりません。
その理由について解説していきます。

受託者を複数にすると

(1)受託者を複数人にすると過半数の同意がないと進められない
(2)金融機関では信託口口座を開設できません


家族信託を協力して守っていくには

(3)協力体制を作るために、受益者代理人・予備受託者を活用する


(1)受託者を複数にすると、過半数の同意がないと進められない


受託者が複数の場合には
手続をするために、原則として
受託者の過半数の同意が必要になります。

これは信託法によって定められたルールです。

信託法では、受託者が2人以上いる場合には、
下記条文の通り、原則として過半数の同意を求めています。

———————————
第八十条 
1 受託者が二人以上ある信託においては、信託事務の処理については、受託者の過半数をもって決する。
2 前項の規定にかかわらず、保存行為については、各受託者が単独で決することができる。
(省略)
———————————

過半数の賛成とは、
3人の場合には、2人以上の賛成
2人の場合には、2人全員の賛成がないと
手続を進めることができません。

受託者を2人にした場合に、
片方が反対をすると、
預金を下ろして使うことも、
不動産を売ったり、貸したりすることも
できません。

また、実務面では、
「賛成」の証拠を残すために、
受託者全員の署名・押印の書面を作成、
保管していくことが必要です。

兄弟姉妹が離れて暮らしている場合、
署名・押印をもらうことは
物理的に手間がかかり、
また、書面の作成や保管の負担も増えます。

これらの負担を鑑み、
受託者は複数ではなく、単独とし
意思決定権を集中させ、
スムーズに進められることを
提案しています。

(2)金融機関では信託口口座が開設できません


日本の銀行では共同名義口座が禁止されているため、

受託者が複数になると、
信託口口座の開設はできません。


では、家族信託を協力体制で守っていくには
どのようにすればいいのでしょうか。

(3)協力体制を作るために、受益者代理人・予備受託者を活用する


受託者は複数ではなく、単独とし、
「受益者代理人」と「予備受託者」の活用です。


「受益者代理人」は、受益者であるお父さん・お母さんの権限を
代わりに行使できる存在です。

例えば、受託者が暴走しそうになった場合に
行為を差止めることや、
受益者代理人と受託者との話し合いで、
信託契約の内容を後から変更することもできます。

長男を受託者、妹を受益者代理人とすることで、
それぞれが権限をもち、
兄妹で話し合ってお父さん・お母さんのために、
信託財産を動かすことができます。

「予備受託者」は、最初の受託者が何らかの理由で
受託者業務ができなくなった場合の、
2番手の受託者です。

長男を受託者、妹を予備受託者とすることで、
長男に何か問題が生じ、受託者業務が
できなくなったとしても、妹が引き継ぐことができます。

家族信託では、兄弟姉妹で協力できるような
仕組を取り入れていくことを
ご提案しています。

(筆:友田純平)

ご不明な点は、
司法書士法人ソレイユまで
お問い合わせください

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