親なき後対策で、遺言が必須な理由をわかりやすく解説
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親なき後対策で、遺言が必須な理由をわかりやすく解説
(1)知的障がいのある子に後見人が必要になるきっかけは相続
(2)遺言があれば後見人を就けずに手続きできる
(3)遺留分は請求されたら払えばいい
司法書士の友田純平です。
このコラムでは
子供世代が親の介護で
自身の老後資金や安心生活を壊さないために
必要な情報配信をしています
今日のテーマは
知的障がいのあるお子さんがいる場合に
遺言が必須な対策であることとその理由
ママだけではなく
パパにもぜひ聞いてほしい内容です!!
「遺言を残す目的」は
パパに相続が発生しても
ママや健常な兄弟が、
障がいのある家族を守っていけるようにするためです!
遺言がある場合と
遺言がない場合とで
家族の負担は天と地ほど差があります!
是非最後までご一読ください
(1)知的障がいのある子に後見人が必要になるきっかけは相続
知的障がいがあり自身でお金の管理や、
契約をすることが難しい場合には、
成年後見人を求められる可能性があります!
成人するまでは親権を使って、
親が代わりに手続きをできますが、
成人すると自動的に親権がなくなり、
障がいのあるご本人しか手続きができない
というのが法律で定められたルールです。
しかし、実際のところ、
周りを見渡すと、
成人をしているけれど
後見制度を利用している人は
あまりいないかもしれません。
お子さん名義の
預貯金を使う場面があまりないことや、
キャッシュカードを使って
金融機関にばれずに引き出せることで、
成年後見人の利用を回避できているのだと思います!
100件以上の相談を受ける中で、
知的障がいのある家族に、後見人をつけるきっかけは
相続が起こった時の遺産分割の場面が一番多いのでは
と感じました。パパが亡くなり、相続手続きをするためには
相続人全員で遺産分割協議をしなければいけません。
そこで金融機関や司法書士などに言われるのです。
「後見人をつけないと手続きが進められません」と!!
(2)遺言があれば後見人を就けずに手続きできる
親なきあと対策で、
パパの相続の対策をすることは重要です。
なぜなら、生活必要資金や財産の名義は
パパに固まっていることが多いからです。
ママの方は、専業主婦やパートなどの方が多く
パパの収入が家族のメインの収入になっている家庭が
少なくありません。
ソレイユにも、パパが亡くなり遺言がなく
相続の相談にこられるご家族がいます。
その場合、
相談される私たちにも不安な気持ちが生じます。
障がいのあるご本人の状態によっては
『後見人をつけないと手続きできない』旨を
告げなければいけないからです。
もちろん、障がいがあるという理由だけで
「成年後見人をつけないと駄目です」と
言うことはしません!!
お医者さんからも意見を聞きながら、
ご本人に会って、話してみて、
ご本人自身で意思表示ができるかを
確認するなどして、
「成年後見人の必要性」を見極めています。
私たち司法書士には、
意思確認が義務付けられています。
もしも、本人への意思確認をしないで
不動産の名義変更などの手続きを進めた場合には
最悪の場合、資格が剥奪されます。
とても重い義務になっています
ご本人に障がいがあり意思確認ができないレベルの場合は
たとえ、書類は揃っていたとしても
手続きを進めることができないのです!!
手続きを進めるには
成年後見人を就けるしかないのです。
相談者様にとっても
相談した先生から
「後見人を就けなくても進められます」と
判断してくれるまでは、
ビクビクした不安が続きます。
障がいのあるご本人にとっても、
初めて会う知らない人に
質問されるというのは
怖さを感じるかもしれません!!
障がいのあるご本人やご家族、
関わる専門家の皆を
不安に巻き込むのです・・・
このような不安を
簡単に解決する対策が遺言です。
遺言があれば、
障がいのあるご本人への意思確認をせずに
相続手続きを進めていくことができます。
ご家族の方も
「成年後見人を就けないと進められないと
言われたらどうしよう・・」
という不安を回避できます!
障がいのあるご本人にも
「初めて会った人に質問をされる」ということなく、
余計な不安を抱えずに済むのです。
(3)遺留分は請求されたら払えばいい
「遺言を作っても、
遺留分に相当する金額は
渡さないといけないんですよね」
遺言の相談でよくいただく質問です!!
遺言を作成するときに、
注意しなければならない制度に
遺留分があります!
遺留分とは
『特定の相続人が持っている最低限の相続の取り分』
のことです!
子どもや配偶者は遺言により、
自分がもらえる財産が「ない」または「極端に少ない」場合には
遺留分に相当する金額までを請求しもらうことができます!
こう言うと、
「遺留分に相当する財産は
必ず相続させなければいけない」
と思ってしまうかもしれませんが、
そうではありません。
遺留分は
「請求をされたら払えばいい」
となっています。
請求されなければ、
払う必要はありません!
イメージしてほしいのですが、
「ママがパパの財産を全部相続するという遺言を残した場合、
知的障がいのあるご本人が、
ママに対して遺留分を請求しそうでしょうか?」
「うちの子供は、遺留分の請求はしないな」
という回答がほとんどではないでしょうか?
それであれば、
遺言があればママや健常なきょうだいに
財産を全て相続させることができます。
相続した財産の中から、
障がいのある家族を守るためにも
使っていくことができます。
一方で、子供に後見人がついている場合には、
話は変わります。
後見人の職務として遺留分を請求しなければ
ならないからです。
遺留分を請求しないと、
ご本人がもらえるはずだった財産が
減ってしまうからです。
このように成年後見制度では
画一的な対応が求められる点でも
使いづらさが残ります
特に相続の場面では
「家族」と「知的障がいのあるご本人」とが
利害対立関係になるため、
なおさらご家族の意見は反映されづらいです。
そのため子供がまだ未成年であれば、
将来のために親心後見をやっておいた方が安心です。
以上、親なき後対策で
遺言の必要性と注意点について解説しました
遺言は早めに作っておけば、
ずっと有効なものです。
必要が生じたら書き換え、修正もできます。
亡くなってから遺言がなく、
残された家族に苦労をかけるよりは、
「今のうちに遺言だけは作っておく」、
「遺言がない状態を防ぐ」、
というほうが絶対にオススメです。
ぜひ、この機会に検討ください!
私たちも力になれます!!
また、知的障がいのあるお子さんに意図しない成年後見を避けるために!
そのためには「○○しない」ということも重要です。
未成年の間は親権があるため、親が手続きを進めることができてしまいます。
でも成人をしたときに後見制度を求められる制度もあります。
こちらについてもぜひ知ってほしい。分かりやすくまとめました。
↓↓↓↓↓
知的障害の子に意図しない成年後見の利用を避ける対策!子が未成年の場合に実は注意な3つの制度
今回もご覧いただきありがとうございました。
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