高齢で子供のいない叔父が1人会社を経営している場合の相続の注意点

高齢で子供のいない叔父が1人会社を経営している場合の相続の注意点

(1)会社を閉じるには清算結了という手続きが必要
(2)会社の維持費を叔父さんが負担していると相続税が増えることも
(3)生前に整理してもらう、または遺言対策を

※コラムの最後に分かりやすい解説動画も掲載中

 
司法書士の友田純平です

このコラムでは
甥姪に頼りたい子供のいない方が
知っておいた方がいい情報を配信しています。

今回は、

高齢の子供のいない叔父さん


1人会社を経営している場合の
相続の注意点です。


叔父さんが生前に法人を閉じるなど
積極的に清算をしている場合は
問題は生じません。

しかし、実際にはそうなっていないケースも
見てきました。

あらかじめ知っていることで、
突然に起こった場合にも慌てずに対処することや
事前に働きかけることもできます。

何もしていないと


会社を閉じる負担が相続人に

来るだけではなく

実は、相続税負担が余計にかかることもあります。


ぜひ最後までご覧ください。

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(1)会社を閉じるには清算結了という手続きが必要


まず、お伝えしたいのは、

会社を閉じる手続きをしていない場合

には、

会社も相続財産になる

ということです。


厳密にいえば、

会社の株式が相続の対象になります。



叔父さんに子供がいない場合には、
叔父さんの兄弟姉妹である自分の親、
または既に親が他界している場合には、
甥姪であるあなたが相続することになります。

なお、叔父さんの親(あなたにとっての祖父母)が
ご存命だったら、法定相続人は叔父さんの親になりますが、
既に亡くなっていることがほとんどのため省略します。

そうなると、会社を閉じるための手続負担は
相続人が負うことになります。

会社は存在するだけで、納税の義務

があり、
売上が上がっていなくても法人住民税などの課税があります

ただ、あくまで支払い義務があるのは会社であり、
株式を相続した相続人には支払い義務はありません。

また、会社が休眠状態であれば法人住民税などの
請求は来ないこともあります。

一方で、休眠していても会社は存在し続け、
自分の次の代にも法律的には相続されることになるので、
気持ち悪いと感じることもあるでしょう。

それであれば閉じる手続きをした方が安心です。

会社を閉じるには清算結了という手続きが必要

になり、
生前に叔父さんが手続をしていれば、
上記のような相続負担はなくなります。

手続きには3ヶ月以上の期間を要し、
金銭面でも、専門家への手続き報酬や
会社登記の変更手数料・官報公告費等含め
数十万円の費用が発生します。

会社を閉じる手続きには上記費用や
手間も生じるため、ついつい先延ばしにしがちな印象です。

結果として、会社を閉じる手続きをせずに
相続が発生することも少なくありません。

なお、登記のルールでは、解散してから10年間
登記の変更などがない場合には、
法務局が職権で当該会社の登記を閉鎖することもあります。

ただ、その後に「会社名義の財産(不動産・車)があった」など
トラブルが起きる場合もあるため、正規の手続きで
会社を閉じることを勧めます。


(2)会社の維持費を叔父さんが負担していると相続税が増えることも


「うちの会社は売り上げもないから価値もない。相続税なんてかからない」


実は、このような会社が黄色信号

になります。
相続人に思わぬ負担がかかる危険があるからです。

先ほども記載した通り、

会社に売り上げが無かったとしても
維持していくためのコストはかかってきます


これについて、1人役員の叔父さんが
立替えて払っていることがあります。

また、

役員報酬を設定

をしているが
実際は売上がないため支払われていない等もあります。

このようなお金は、役員から会社への貸付金として
帳簿上、積み上がっていくことになります。

そしてこの

貸付金も相続財産

になります。

つまり、相続税の対象になるのです。

ご相談に来られた方の中には1000万円程
積み上がっていたという方もいました。

1人役員の叔父さんから会社への貸付金は
相続財産になり、相続税が課税される。

加えて、厄介なことは
当該貸付金は回収ができないことが多いという事実です。

会社が不動産などを持っている場合には
売却代金から回収することもできますが、
そのようなケースはまれで
ほとんどの場合には返済資金がありません。

そうなると、相続税だけ払い損になってしまいます。


(3)生前に整理してもらう、または遺言対策を


「相続税の払い損は避けたい」
「価値がない財産にかかる相続税なんてバカバカしい」

その場合にどうすればいいか?

まず1番は、叔父さんが生前に会社をきれいに清算して
閉じてくれることがベターです。


一方で、生前に会社を閉める手続きが
間に合わないとなった場合には、

遺言

を作ってほしい

相続が生じた後でも、10ヶ月の相続税申告期限までに、
会社を解散し、貸付金の清算もできれば、
税務署的にも「回収不能であること」が明確になるため
相続税の課税は避けられる可能性があります。

可能性を残すため、相続後に、慌てて、会社を閉じようとしても
「会社の株式」「会社への貸付金債権」
これらが、相続人間に分散されてしまうと
スムーズに手続きをすることが難しくなります。

なぜなら全員の合意を取って進めることが必要ですが、
高齢の叔父さんの兄弟姉妹が相続人の場合、
相続人自身も高齢なことが考えられます。

万が一、相続人の一部の契約能力が難しくなっている場合には、
手続きがストップします。
進めるためには、契約能力の難しい相続人に
成年後見制度の利用が必要となります。

その対策が遺言です


遺言で「会社の株式」「会社への貸付金債権」を
特定の相続人に集中して渡す。


そうすることで、当該相続人一人で手続きをすることができ、
スムーズに会社を閉じる手続きができ
無駄な相続税の負担を回避できる可能性があります。

相続税負担が回避できれば、
相続人全員が恩恵を受けられます。

また閉じる手続きをお願いする相続人へは
専門家に発生する報酬分の金銭も
合わせて渡しておくといいでしょう。

繰り返しになりますが、
1番は、叔父さんが生前に会社をきれいに清算して
閉じてくれることです。

ただ、生前に会社を閉める手続きが
間に合わないとなった場合には、
相続人への負担はできるだけ少なくなるように、
遺言でスムーズに渡せる体制を整えてください

また、他にも甥・姪に老後の面倒や相続で迷惑をかけないために
知っておきたい情報についてはこちらのコラムで解説をしています。

甥っ子や 姪っ子に老後を頼りたい時に 子供のいない夫婦が 準備しておきたい対策を紹介


https://votre-soleil.com/blog/yuigon/4927/

子供がいないご夫婦の場合の対策、
「何からはじめればいいのかわからない」
そのような方に向けて、youtubeの動画解説も
作っています

【無料動画公開】甥姪に頼りたい子供のいない夫婦の対策の始め方-完全解説版―


https://votre-soleil.com/blog/blog_seminar/5897/

知っているか知らないかで未来が変わります。



今日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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