【相続のプロが告白】「成年後見はひどい」は本当?専門家も陥った制度のリアルな落とし穴
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インターネットで「成年後見」と検索すると、「成年後見 ひどい」「成年後見人 トラブル」「成年後見 後悔」といった言葉が上位に並ぶことをご存じでしょうか。これを目にした方の多くが、「本当にそんなにひどいの?」「専門家に任せておけば安心では?」と疑問を感じるはずです。
結論から申し上げます。「成年後見はひどい」と言われるのには、はっきりとした理由があります。しかもそれは、一般の方が巻き込まれた話ではありません。長年にわたり富裕層の相続対策に携わってきた、いわば”相続のプロ”でさえ、ご自身の親の成年後見で想像を絶する悲劇に見舞われているのです。
今回ご紹介するのは、元信託銀行員で公正証書遺言の作成や相続コンサルティングを数多く手掛けてきた鈴木さん(仮名)の実体験です。親の介護や財産管理に不安を抱えている方、「まだ元気だから大丈夫」と思っている方には、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。この記事が、大切なご家族の財産と絆を守るための一助となれば幸いです。
目次
突然の認知症と不動産売却。成年後見が必要になった経緯
鈴木さんの苦難は、お父様が亡くなったことから始まりました。ご両親はかねてから地元の駐車場(土地)を共有名義で所有していましたが、お父様の逝去後、その持ち分の半分を鈴木さんが相続。お母様と2人の姉がいましたが、かねてから長男である鈴木さんが「あとつぎ」として承継することに家族全員、異存はありませんでした。その結果として、駐車場はお母様と鈴木さんの共有名義になりました。そんなタイミングで、ご近所の方から「その駐車場をぜひ買いたい」という好条件の申し出が舞い込みます。悩んだ末に売却を決断した鈴木さんでしたが、ここに大きな壁が立ちはだかりました。お父様が亡くなってから半年も経たないうちに、お母様の認知症が急速に進行してしまったのです。
認知症によって判断能力が低下すると、本人は不動産の売買契約を結ぶことができません。そこで鈴木さんは、売却手続きを進めるために、お母様の代わりに法的な判断を行う「成年後見人」の選任を家庭裁判所に申し立てることにしました。
「自分自身が相続の専門家だからこそ、大切な母の件は第三者の専門家に任せた方が公正でスムーズにいく」——そう考えた鈴木さんは、知人の紹介を通じて、とある司法書士法人の年配の先生を後見人候補者に選びました。専門家であれば安心だと思っていました。しかしこここから、信じがたいトラブルの連鎖が始まります。
ひどい実態1:専門家なのに手続きが進まない——放置とミスの連続
不動産の売却には期限がありました。買主さんの事情から「3ヶ月以内に契約・決済をしたい」と最初から明示されており、依頼を受けた司法書士も「ギリギリですが2〜3ヶ月あれば対応できます」と回答していました。これを受けて鈴木さんは、相続の知識を総動員し、わずか2週間で財産目録をはじめとする必要書類をすべて揃えて提出しました。ところが、そこから約1ヶ月間、司法書士は何も動きませんでした。
「その後の進捗はいかがですか?」と問い合わせても、「これから裁判所に提出するところです」と、のらりくらりとした返答が繰り返されるばかり。痺れを切らした鈴木さんが書類の確認を求めると、驚くべきミスが発覚します。後見人候補者の欄に記載されていた名前が、依頼した司法書士ではなく、なんと依頼主である鈴木さん本人になっていたのです。
専門家が作成した申立書類の、最も基本的な記載を間違えていた——これだけでも十分に深刻ですが、問題はさらに続きます。手続きが進んだ後も、その司法書士は不動産売却に「必要な制度」や「手続きの流れ」について正確な知識を持ち合わせておらず、依頼主である鈴木さんが詳細な説明書を作成して司法書士に教えるという、完全な逆転現象が起きました。専門家に費用を支払って依頼したにもかかわらず、手続きは一向に前進せず、期限は迫るばかりです。
ひどい実態2:後見人に就任した途端の「手のひら返し」
数々の苦労の末に、ようやく後見人が選任されました。「これでやっと不動産を売却できる」と安堵したのも束の間、さらなる成年後見のひどい現実が待ち受けていました。
申し立て前の段階で鈴木さんは、「不動産を売却するためにこそ後見人が必要だ」と何度も丁寧に説明し、その司法書士もその趣旨を理解した上で引き受けていました。ところが、後見人に就任した瞬間、その司法書士は突然態度を豹変させ、「私は今、家庭裁判所に監督される立場ですから」と言い出し、売却への協力を渋り始めたのです。このような対応を取られた鈴木さんの困惑は想像に難くありません。さらに悪いことに、その司法書士は鈴木さんの姉2人に対して「鈴木さんの言うことを鵜呑みにして本当に大丈夫ですか?」という内容の文書を送付し、家族間に疑念の種を蒔きました。
「不動産を売るため」に成年後見人を選任したにもかかわらず、その目的を果たそうとしない後見人。それどころか、依頼した家族を疑い、家族の絆を分断するような行動をとる——このような事例は多くはないかもしれませんが、実際に鈴木さんは「成年後見はひどい」のトラブルを体験しています。その後、この司法書士は電話にも出ずメールの返信もしなくなり、ある日突然「辞任いたします」と一方的に契約を打ち切りました。
「専門家に任せれば安心」は大きな誤解
この事例は、決してネット上の噂話ではありません。相続のプロである元銀行員が実際に体験した、成年後見制度のリアルな実態です。「資格を持つ専門家に依頼すれば間違いない」と思われがちですが、職業後見人の中には実務に慣れていない方や、ご家族の思いに寄り添う姿勢を持たない方も少なくないのが現実です。
一度後見人が就任すると、たとえ家族であっても後見人の判断に介入することは容易ではありません。大切な親の財産が「ブラックボックス」の中に閉じ込められてしまうのです。
コラム後半となる次回は、辞任した司法書士の後任として選ばれた「弁護士」後見人のもとで起きた、さらなる信じがたい悲劇と、こうした事態を未然に防ぐための具体的な解決策についてお伝えします。「親のお金が使えない」「実家の修理すら後見人の許可が下りない」という厳しい現実と、その対策をぜひ知っておいてください。
そもそも「成年後見制度」とは?利用前に知っておくべきこと
成年後見制度は、認知症や知的障害などにより判断能力が低下した方を法的に保護するための制度です。家庭裁判所が後見人を選任し、本人の財産管理や各種契約の代理を行います。制度の趣旨は「本人保護」にありますが、実際の運用では「財産を守ること(保全)」が最優先とされるため、家族が望む柔軟な財産の活用が認められないケースが多く生じます。
また、一度後見人が就任すると、本人の判断能力が回復しない限り、原則として途中で制度をやめることができません。職業後見人が就いた場合、毎月の報酬(月額2万〜6万円程度が目安)が本人の財産から差し引かれ続けます。親が長生きするほど、コストも積み重なっていきます。これが「成年後見 ひどい」「制度が使いにくい」と言われる根本的な背景です。制度を使う前に、こうした仕組みと限界をしっかり把握しておくことが重要です。
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代表者紹介
NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。
家族信託業界の先頭に立ち、相談者様が安心して使えるようグレーゾーンを明確化にも注力。税理士と協力して行った国税照会により公表されたルールが業界のスタンダードにもなっている。
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・NHK「クローズアップ現代プラス」
・NHK「ニュースウォッチ9」
・NHKラジオ「三宅民夫のマイあさ!」
・日本記者クラブにて記者会見
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