相続した空き家を放置するとどうなる?税金・管理責任・リスクを解説

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「親から実家を相続したものの、誰も住む予定がない」
「遠方にあるため、しばらくそのままでも問題ないだろう」
「売るか貸すか決まってから動けばいいのでは?」
相続した家が空き家になると、このように考えてしまう方も少なくありません。
しかし、空き家は「何もしなければ現状のまま残る」わけではありません。人が住まなくなった住宅は、換気や通水、庭の手入れ、建物の点検などが行われにくくなり、時間とともに劣化していきます。
さらに、空き家を所有している間は固定資産税などの負担が続きます。管理状態が悪化すれば、市区町村から「管理不全空家」や「特定空家」として指導・勧告などの対象となり、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置を受けられなくなる可能性もあります。
屋根材の落下や倒壊などによって第三者に損害を与えれば、損害賠償責任を問われる可能性もあります。
つまり、相続した空き家で特に避けたいのは、
「まだ何も決めていないから、とりあえず放置する」
という状態です。
売る・貸す・自分で使うといった最終的な結論をすぐに出せなくても、まずは建物の状態と現在の不動産価値を把握し、管理しながら今後の方向性を検討する必要があります。
この記事では、相続した空き家を放置するとどうなるのか、税金・管理責任・相続登記・売却時の税制まで含めて解説します。最後に「今すぐ何をすればよいのか」も順番に紹介するので、実家を相続したものの対応に迷っている方は参考にしてください。
目次
- 1 【1】相続した空き家を放置するとどうなる?まず知っておきたい7つのリスク
- 2 【2】リスク1|建物が劣化し、売却・活用しにくくなる
- 3 【3】リスク2|固定資産税などの負担が続き、軽減措置を失うこともある
- 4 【4】リスク3|「管理不全空家」「特定空家」として行政措置の対象になる可能性がある
- 5 【5】リスク4|事故や近隣トラブルで損害賠償責任を問われることがある
- 6 【6】リスク5|相続登記を放置すると手続きが複雑になる
- 7 【7】リスク6|売却時の3,000万円特別控除を使えなくなる可能性がある
- 8 【8】リスク7|時間が経つほど処分の選択肢が狭くなる
- 9 【9】相続した空き家を放置しないために今すぐやること
- 10 【10】空き家を手放すなら「仲介」と「買取」を比較する
- 11 【11】すぐ売らない場合に最低限やっておきたい管理
- 12 【12】まとめ|相続した空き家は「決めないまま放置」が最も危険
【1】相続した空き家を放置するとどうなる?まず知っておきたい7つのリスク
相続した空き家を放置する主なリスクは、次の7つです。
- 建物が劣化し、売却や活用がしにくくなる
- 固定資産税などの負担が続く
- 管理不全空家・特定空家として行政措置の対象になる可能性がある
- 事故や近隣トラブルにつながり、損害賠償責任を問われる可能性がある
- 相続登記を放置すると権利関係が複雑になる
- 売却時に利用できる税制上の特例を逃す可能性がある
- 時間が経つほど売却・賃貸・活用の選択肢が狭くなる
国土交通省も、空き家を放置すると倒壊、外壁の落下、害虫・ねずみ、悪臭、不法侵入、枝のはみ出しなど、さまざまな問題につながると注意喚起しています。
重要なのは、これらがそれぞれ独立した問題ではないことです。
たとえば、
流れ
空き家を放置する
↓
換気や修繕がされず建物が劣化する
↓
雨漏り・外壁破損・雑草などが目立つ
↓
売却時に修繕や解体が必要になる
↓
管理状態がさらに悪化すると行政から指導を受ける可能性がある
↓
売却価格や選択肢にも影響する
というように、問題が連鎖していくことがあります。
「今すぐ使わないから何もしない」のではなく、「使わないからこそ今後どうするかを決める」ことが大切です。
【2】リスク1|建物が劣化し、売却・活用しにくくなる
空き家を放置する大きなリスクのひとつが、建物の劣化です。
住宅は、人が住んでいれば日常的に窓を開けたり、水道を使ったり、異常に気づいて修理したりします。
ところが空き家になると、こうした行動が行われなくなります。
その結果、
- 室内に湿気がこもる
- カビが発生する
- 雨漏りに気づくのが遅れる
- 排水設備を長期間使用しない
- 屋根や外壁の破損を見逃す
- 庭木や雑草が伸びる
- 害虫や動物が入り込む
といった問題が起こりやすくなります。
国土交通省も、空き家を適切に管理するために、通気・換気、排水設備の通水、敷地内の清掃、庭木の剪定、窓・壁・屋根の点検などを挙げています。
放置すると「売れる家」から「修繕・解体が必要な家」になることも
相続した時点では中古住宅として売却できる状態でも、数年間放置して建物の劣化が進めば、買主から大規模なリフォームが必要な物件として見られる可能性があります。
さらに状態が悪化すれば、建物にはほとんど価値を見込めず、解体を前提に土地として売ることになるケースも考えられます。
すると、
- 売却前の修繕費
- 残置物の撤去費
- 解体費
- 庭木の伐採費
など、相続直後には必要なかった費用が発生することがあります。
もちろん、築年数が経過したからといって必ず売却価格が大幅に下がるとは限りません。不動産価格は土地の需要や立地、接道状況、建物の状態などによって変わります。
だからこそ、「古いから価値がないだろう」と自己判断せず、まだ建物の状態が悪化していないうちに一度査定を受けておくことが重要です。
【3】リスク2|固定資産税などの負担が続き、軽減措置を失うこともある
空き家は、誰も住んでいなくても所有しているだけで税金や維持費が発生します。
代表的なのが、
- 固定資産税
- 地域によっては都市計画税
- 火災保険などの保険料
- 草刈りや剪定の費用
- 修繕費
- 遠方の場合の交通費
- 空き家管理サービスの利用料
などです。
「使っていないから費用はほとんどかからない」とは限りません。
住宅用地には固定資産税の軽減措置がある
住宅が建っている土地には、一定の要件のもとで「住宅用地特例」が適用されます。
固定資産税の課税標準は、
- 200㎡以下の小規模住宅用地:6分の1
- 200㎡を超える一般住宅用地の部分:3分の1
に軽減されます。
そのため「建物を残しておけば固定資産税が安いから、空き家でもそのままにしておこう」と考える方もいます。
しかし、管理状態が悪い空き家を放置することは、この軽減措置を守る方法にはなりません。
管理不全空家・特定空家で勧告を受けると住宅用地特例から外れることがある
2023年に改正された空家法により、放置すれば特定空家になるおそれがある空き家について、市区町村が「管理不全空家」として指導や勧告を行えるようになりました。
管理不全空家や特定空家について、指導に従わず市区町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象外となる場合があります。
ここで注意したいのが、よく見かける「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」という表現です。
小規模住宅用地では課税標準が6分の1に軽減されているため、特例が外れることを「最大6倍」と説明する記事もあります。
ただし、実際の固定資産税額が必ず一律に6倍になるわけではありません。税額は評価額や負担調整措置などによって決まります。
正確には、
「住宅用地特例による課税標準の軽減を受けられなくなり、税負担が大きく増える可能性がある」
と理解しておきましょう。
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【4】リスク3|「管理不全空家」「特定空家」として行政措置の対象になる可能性がある
空き家の管理状態が悪化すると、単に見た目が悪くなるだけではありません。
空家法では、適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある空き家を「管理不全空家」として、市区町村が指導・勧告できる仕組みがあります。
さらに、
- 倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある
- 衛生上有害となるおそれがある
- 景観を著しく損なっている
- 周辺の生活環境を守るため放置が不適切
といった状態の空き家は「特定空家」として措置の対象になる可能性があります。
放置を続けると行政代執行に至るケースもある
特定空家については、状態や対応状況によって、
流れ
助言・指導
↓
勧告
↓
命令
↓
行政代執行
といった措置が取られる場合があります。
命令に従わない場合には50万円以下の過料が科されるおそれがあり、必要な場合には行政が所有者に代わって建物を除却する代執行が行われることもあります。
また、代執行にかかった費用は、最終的に所有者等から徴収される可能性があります。
「行政が勝手に解体してくれるなら、そのままでいい」という話ではありません。
空き家の状態がそこまで悪化する前に対応することが重要です。
【5】リスク4|事故や近隣トラブルで損害賠償責任を問われることがある
空き家は所有しているだけではなく、適切に管理する必要があります。
たとえば、
- 台風で屋根材が飛んで隣家を傷つける
- 外壁の一部が落下して通行人にけがをさせる
- 塀が倒れて車を傷つける
- 伸びた庭木が隣家に越境する
- 建物の管理状態が悪く、不法侵入の原因になる
といったトラブルが考えられます。
東京都住宅政策本部も、空き家などの保存状態が悪いことによって他人に損害を与えた場合には、賠償責任を負う場合があると案内しています。
実際の責任の有無は事故の状況によって異なりますが、
「自分は住んでいないから関係ない」
とは考えないほうがよいでしょう。
特に遠方の実家では、所有者が異常に気づくまで時間がかかりやすくなります。
近隣から「瓦が落ちそう」「枝が道路にはみ出している」「雑草がひどい」と連絡が来て初めて問題に気づくケースもあります。
相続放棄すれば必ず管理から解放されるとは限らない
「管理が大変なら相続放棄すればよい」と考える方もいるかもしれません。
相続放棄の時点で相続財産を『現に占有している場合』は、民法上、相続人や相続財産清算人などへ引き渡すまで、その財産を保存する義務が残る場合があります。(この場合は空き家の状態にはならないでしょう)
また、相続放棄には原則として相続の開始を知った時から3か月以内という熟慮期間があり、空き家だけを選んで放棄することもできません。
相続放棄を検討している段階では、自己判断で財産を処分せず、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのが安全です。
【6】リスク5|相続登記を放置すると手続きが複雑になる
実話ですが、、、4代前の名義のままで自宅の名義を放置しておいたところ、雨漏り修理のために屋根を新たに葺こうとしたところ、現在の名義に登記するように建築会社とローン会社に要求されて30数名から実印と印鑑証明書をもらわなくならなければいけなくなった方がいました。
2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
相続によって不動産の所有権を取得したことを知った相続人は、原則としてその取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
また、2024年4月1日より前に発生した相続で、相続登記が済んでいない不動産も義務化の対象です。原則として2027年3月31日までに対応が必要となります。
登記を先延ばしにすると相続人が増えることがある
相続登記を長期間放置すると、さらに次の相続が発生することがあります。
たとえば、父親名義の実家について兄弟3人で相続手続きをしないまま、そのうち1人が亡くなれば、その人の配偶者や子どもなどが新たな相続関係に入る可能性があります。
すると、売却しようとしたときに、
- 相続人を調査する
- 戸籍を集める
- 相続人同士で話し合う
- 必要な登記を行う
といった手続きがより複雑になりやすくなります。
空き家を売却する場合にも、基本的には相続関係を整理し、必要な相続登記を行う必要があります。
「売るかどうか決まってから登記を考える」のではなく、まず現在の登記名義と相続関係を確認しておきましょう。
【7】リスク6|売却時の3,000万円特別控除を使えなくなる可能性がある
相続した空き家を売る予定が少しでもあるなら、税制上の期限も意識しておく必要があります。
一定の要件を満たす被相続人の居住用家屋やその敷地を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」があります。
2026年9月時点の制度では、対象となる譲渡期間は2027年12月31日までです。
ただし、どの空き家でも利用できるわけではありません。
主な要件には、
- 一定の要件を満たす被相続人の居住用家屋であること
- 原則として1981年5月31日以前に建築された家屋であること
- 区分所有建物ではないこと
- 相続開始直前に原則として被相続人以外の居住者がいなかったこと
- 相続から売却まで事業、貸付け、居住に使われていないこと
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却代金が1億円以下であること
などがあります。
2024年1月1日以後の譲渡では、一定の場合、譲渡後に翌年2月15日までに耐震基準への適合や家屋の取り壊しを行う形でも対象となり得ます。
また、相続人が3人以上の場合は、一定の条件下で控除上限が1人あたり2,000万円になります。
「そのうち売る」が税金面で不利になることもある
この特例で特に注意したいのが期間と利用状況です。
たとえば、
- 「数年間空き家にしてから考える」
- 「いったん誰かに貸して、後で売る」
といった選択をすると、要件を満たさなくなる可能性があります。
相続した実家を売る可能性があるのであれば、放置してから考えるのではなく、売却時に利用できる税制がないか早い段階で税理士などに確認しておくことをおすすめします。
【8】リスク7|時間が経つほど処分の選択肢が狭くなる
空き家の問題で見落としやすいのが、「今は売らなくても、必要になったらいつでも売れる」とは限らないことです。
長期間放置すると、
- 建物の劣化が進む
- 家財道具が残ったままになる
- 庭木が繁茂する
- 境界や近隣との問題が出てくる
- 相続人が増える
- 売却時の税制の期限を逃す
- 買主が見つかりにくくなる
といった状況が重なる可能性があります。
売却するかどうか決まっていなくても、現在の価値を知るだけなら査定で確認できます。
たとえば、
- 査定価格が2,000万円
- 年間維持費が25万円
- 今後5年間使う予定がない
と分かれば、
「5年間保有し続ける意味があるのか」
を数字で考えられます。
反対に、土地の需要が高く、将来的にも利用する予定があるなら、適切に管理しながら所有を続ける判断も考えられます。
重要なのは、価値や維持費を知らないまま放置しないことです。
【9】相続した空き家を放置しないために今すぐやること
相続した空き家をどうするか決まっていない場合は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
STEP1|誰が相続するのか、登記名義を確認する
最初に確認したいのは権利関係です。
登記事項証明書などで現在の名義を確認し、遺言書や遺産分割の状況も整理します。
兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合は、
- 誰が実家を取得するのか
- 売却するなら誰が手続きを進めるのか
- 維持費を誰が負担するのか
まで話し合っておくと、その後のトラブルを減らしやすくなります。
STEP2|現地を確認する
次に、現在の建物状態を確認します。
最低でも、
- 屋根や外壁に大きな破損がないか
- 雨漏りしていないか
- 窓や玄関が壊れていないか
- 庭木が隣地や道路にはみ出していないか
- 郵便物がたまっていないか
- 不法投棄されていないか
- 水漏れなどがないか
を確認しておきましょう。
遠方で自分では確認できない場合は、空き家管理業者などへの依頼も選択肢です。
STEP3|年間維持費を計算する
次に、空き家を1年間持ち続けた場合にいくらかかるかを計算します。
固定資産税だけではなく、
年間の負担
固定資産税・都市計画税
+保険料
+管理費
+草刈り・剪定費
+修繕費
+現地までの交通費
まで含めて考えます。
1年では大きな金額に見えなくても、5年、10年と所有すれば負担は積み上がります。
STEP4|売却価格を査定してもらう
今すぐ売却する予定がなくても、一度査定を受けておくことをおすすめします。
査定によって、
- 「土地として需要がある」
- 「建物を残したまま売却できそう」
- 「解体しないほうが売りやすい」
- 「一般の買主より買取のほうが現実的」
など、物件ごとの方向性が見えてくることがあります。
査定を受けることと売却を決めることは別です。
「空き家をどうするか決める材料を集める」という目的で査定を利用するとよいでしょう。
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まだ売ると決めていなくても、現在の査定額は確認できます。
STEP5|売る・貸す・使う・管理するの方針を決める
最後に今後の方針を決めます。
相続した実家を売る・貸す・住む場合の比較や判断基準は、「相続した実家は売る・貸す・住むのどれがいい?判断基準を解説」でも詳しく解説しています。
目安としては、
- 今後住む予定がある
→適切に管理しながら保有 - 賃貸需要があり、修繕費を含めても収益が見込める
→賃貸を検討 - 今後使う予定がない
→売却を検討 - 建物の状態が悪く、一般の買主を見つけにくい
→空き家買取も検討 - すぐには決められない
→管理を続けながら「いつまでに決めるか」を設定
という考え方ができます。
「保留」という選択をする場合でも、期限のない保留にしないことが重要です。
【10】空き家を手放すなら「仲介」と「買取」を比較する
相続した空き家を売却する場合、大きく「仲介」と「買取」の2つの方法があります。
仲介|できるだけ高く売りたい場合
仲介は、不動産会社に購入希望者を探してもらう一般的な方法です。
市場で購入者を募集するため、条件のよい物件であれば買取より高値で売却できる可能性があります。
一方で、
- 買主が見つかるまで時間がかかることがある
- 内覧対応が必要になる
- 建物の状態によっては購入希望者が見つかりにくい
といった点があります。
立地がよい、建物の状態が比較的よい、売却を急いでいない場合などに検討しやすい方法です。
買取|早く整理したい・古い空き家を売りたい場合
買取は、不動産会社や空き家買取会社などに直接買い取ってもらう方法です。
一般的には仲介より売却価格が低くなる傾向がありますが、
- 売却までの期間を短くしやすい
- 築古物件でも相談しやすい
- 家財が残っている空き家でも相談できる場合がある
- 遠方の空き家を早く手放したい場合に利用しやすい
といった特徴があります。
特に、
「相続したものの誰も住まない」
「県外に住んでいて管理できない」
「建物が古く、修繕して売るべきか分からない」
という場合には、仲介査定だけではなく買取価格も確認して比較すると判断しやすくなります。
解体する前に査定を取る
古い空き家を見ると、
「解体して更地にしてから売ったほうがよいのでは?」
と考えるかもしれません。
しかし、必ずしも先に解体したほうがよいとは限りません。
古家付き土地として購入したい人がいる場合もありますし、建物を解体すると住宅用地特例の扱いが変わる場合があります。
また、解体後に想定していた価格で土地が売れなければ、解体費を先に負担したうえで土地を保有し続けることになります。
そのため、原則として、
流れ
査定
↓
建物を残して売る場合の価格を確認
↓
解体した場合の売却見込みを確認
↓
解体費用や税負担も比較
↓
解体するか判断
という順番で検討するのがおすすめです。
【11】すぐ売らない場合に最低限やっておきたい管理
家族の話し合いや相続手続きに時間がかかり、すぐには売却や活用ができない場合もあります。
その場合でも、空き家を無管理の状態にはしないようにしましょう。
国土交通省の空き家管理チェックリストでは、適切な管理として、
- 通気や換気
- 排水設備の通水
- 敷地内の清掃
- 庭木の枝の剪定
- 郵便物の確認・整理
- 窓、壁、屋根などの破損確認
- 必要な補修
- 積雪地域では雪下ろしなど
が挙げられています。
特に台風・大雨・大雪・地震などの後は、屋根や外壁、塀などに異常がないか確認したいところです。
遠方の場合は「自分で管理するコスト」も計算する
実家が遠方の場合、
「管理業者に頼むとお金がかかるから自分で行く」
という選択もあります。
しかし、
年間の負担
交通費
+移動時間
+草刈りや掃除の時間
+道具代
+修繕手配
まで考えると、想像以上に負担が大きくなることがあります。
年に何度も管理のためだけに現地へ行かなければならないのであれば、その負担も「空き家を所有するコスト」です。
今後使う予定がない場合は、管理費を払い続ける前に売却査定や買取査定を取って比較してみるとよいでしょう。
【12】まとめ|相続した空き家は「決めないまま放置」が最も危険
相続した空き家をすぐに売却しなければならないわけではありません。
親が長年暮らしてきた実家であれば、思い出もあり、「すぐ手放すのは寂しい」と感じるのは自然なことです。
しかし、
「気持ちの整理がついていない」
ことと、
「何もせず放置してよい」
ことは別です。
空き家を放置すると、
- 建物が劣化する
- 固定資産税などの負担が続く
- 住宅用地特例を失う可能性がある
- 管理不全空家や特定空家として行政措置の対象になる可能性がある
- 近隣トラブルや事故につながる
- 相続登記を放置すると権利関係が複雑になる
- 売却時の税制優遇を逃す可能性がある
- 売却や活用の選択肢が狭くなる
といった問題があります。
まずやるべきなのは、
「売るかどうかを決めること」
ではありません。
最初に、
「今、実家がどのような状態なのか」
「年間いくら維持費がかかっているのか」
「現在ならいくらで売れるのか」
の3つを把握することです。
その数字が分かれば、
- 売る
- 貸す
- 自分や家族で使う
- 一定期間管理する
という選択肢を具体的に比較できます。
特に今後誰も住む予定がない空き家は、時間が解決してくれるとは限りません。
むしろ時間が経つほど建物が傷み、費用や手続きの問題が増える可能性があります。
まだ売却を決めていなくても、一度査定を受けて現在の不動産価値を確認しておくことはできます。
査定価格と年間維持費を比べたうえで、家族で今後の方向性を話し合いましょう。
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放置する場合の維持費と、現在の査定額を比較してみませんか?
参考情報
【参考】国土交通省「空家法とは」
【参考】国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
※税制・相続・登記の適用可否は個別事情によって異なります。実際の手続きでは、税理士、司法書士、弁護士、不動産会社、自治体などの専門窓口へ確認してください。
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