相続したくない田舎の土地、相続放棄しても負担が残る!?その注意点をわかりやすく解説!

こんにちは!
司法書士の友田純平です!

お客様からご相談があった事例をテーマに
お届けします!

「親が田舎に自宅不動産を持っています。
私は実家に戻る予定はしていません。
都市部から離れているため、不動産屋に聞いたところ
買い手がつかないかもしれないと言われました。
子どもは私1人のため、相続放棄を
考えているのですが。。。」

実は、「不動産」と「相続放棄」は
相性がよくありません!


可能なら、親が元気なうちに
引受け手について探しておいてもらえると
とても安心です。


最後まで読むと、
なぜ、相続放棄では足りないのかが
分かります!

ぜひ、最後までご覧ください。

不動産の相続放棄について

(1)相続放棄をしても管理責任は残る
(2)国も簡単に引き取ってくれるわけではない
(3)親が元気なうちに、出口が決まっていると子供は安心


確定的な答えがあるわけではないため、
あくまで、1つの考えとして読んでいただけたら嬉しいです。

(1)相続放棄をしても管理責任は残る


今はテレビなどでも取り上げらる事も多く
『相続放棄』という言葉は誰しも知っているように
なったと感じています。

相続放棄とは、

相続財産の中に、借金などがあり、
マイナス財産がプラス財産を上回る場合に、
利用される制度です。

相続放棄をすれば借金も相続しなくて済みます。


逆に相続放棄をせずに、相続をしてしまった場合には、
相続財産で賄えなかった借金は、自身の財産から
返済をしていくことになってしまいます。

相続放棄は、自分が相続人になったことを知った時から
3か月以内に家庭裁判所に対して手続きをする必要があります。


「相続が起こってから3ヵ月以内」ではないので、
知らぬうちに相続人になっていた場合も安心です。

仮に相続発生後1年が経っていたとしても、
自分が相続人になったことを知った時から
3ヵ月以内であれば
相続放棄の手続きは可能です。

借金だけなら相続放棄は有効です。


しかし、不動産がある場合には
大きな注意点があります。


それは、相続放棄をしても管理義務が残るためです。

民法に規定があります。
「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、(途中省略)その財産の管理を継続しなければならない。(民法940条)」となっています。

そのため、次の順位の相続人がいる場合には、
その相続人に相続権と管理義務が移ります。

そして、次の順位の相続人がいない場合には、
最終的に国に帰属するとなっています。

問題は次の相続人がいない場合、
国が勝手に引き取ってくれるわけではないこと。


国に帰属が認められるまでは、
当該相続放棄をした相続人が、管理義務を
負担し続けることになります。


もしも、建物が老朽化し、壊れ、
他人にけがを負わせてしまった場合に、
管理義務を負担する者が、
その損害を賠償しなければいけません。

つまり相続放棄をした相続人が負担を
しないといけないのです。

また、倒壊しないように、修理するなどの
維持コストの負担も必要になります。

(2)国も簡単に引き取ってくれるわけではない


次の相続人がいない場合には、
国に帰属するとなっていますが、
簡単に不動産を引き取ってくれるわけではありません!

国に引き取ってもらうためにも
家庭裁判所への手続きが必要になったり、
相続債権者などが本当にいないのかを
確定させる手続きなども必要になります。


そのための費用も、時間も手間も
負担もかかります。
費用も安くありません。

国へ引き取ってもらうのも、
険しい道のりになります。

また、相続放棄ではないのですが、
今年4月に国庫帰属制度
が新設されました。

施行日はまだ決まっていないですが、
不要な土地について、条件を満たせば、
国が引き取ってくれる制度です。

朗報と思いますが、ハードルは高いです。

例えば、下記に該当する土地については、
認められません!
——————————
〈1〉建物の存する土地
〈2〉担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
〈3〉通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
〈4〉土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限ります。)により汚染されている土地
〈5〉境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
——————————
5つ目について、古くから持っている土地は、
隣の所有者との境界線を測りなおさないといけない
ケースをよく見ます。

境界線を測りなおすためには、
隣接する土地の所有者の全員から
判子をもらわなければいけません。

そのため
・相続によって、所有権が散らばってしまい、
所有者が分からなくなっている場合
・所有者が既に認知症悪化で、判断能力が認められない場合
などの問題が起こると、実質不可能になります。

また引き取ってもらうにしても
費用がかかります。

つまりは、「どうせ国が引き取ってくれるから」と
安易に考えることができないということです。


では、どうすればいいか??

(3)親が元気なうちに、出口が決まっていると子供は安心


あくまで一つの方法ですが、
可能であれば、親が元気なうちに、
隣人などに不動産を買い取ってもらうよう、
話を固めてもらえると良いなと考えます。

不動産を買い取ってもらい、
親が住める間は、低額の賃貸によって
住み続けられるように、交渉するのです。

隣人にとっては、隣の土地が手に入ることで
所有土地の面積が大きくなり、
用途が広がる可能性があり、メリットとなる話です。

ただ、子ども世代は疎遠になっており、
話を持ち掛けることが難しいです。

親が元気なうちに、出口を固めておいて
もらうためには、早めに家族会議を開き、
要望を伝えておくことが重要です。


本日のまとめ
(1)相続放棄をしても管理責任は残る
(2)国も簡単に引き取ってくれるわけではない
(3)親が元気なうちに、出口が決まっていると子供は安心

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NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」

早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。

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