親の介護を戦略的に備える ── 仕事を続けながら親 を支えるためのお金の準備 4 つ
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親の介護は、今や「戦略的に備えるべき重要事項」になっています。何も準備していないまま介護が現実になると、仕事と介護の両立が崩れ、介護離職という最悪の選択を迫られることがあります。
前回の記事では、改正育児・介護休業法の趣旨と実家信託について紹介しました。今回はさらに掘り下げ、「親のお金を凍結させないための4つの準備」と「実家信託で最後の手段を整えること」について詳しく解説します。
改正育児・介護休業法──本当の目的を理解する
令和7年4月1日から段階的施行、同年10月1日にも一部施行された改正育児・介護休業法。会社側の柔軟な働き方の整備義務が話題になりますが、本当の目的は「親の介護を、子供が離れてできる仕組みを整えること」です。理想の形は、子供が意思決定には関わりながらも、身体的な介助は外部の介護サービスに任せて暮らせる環境です。そのために介護休業を取得し、包括支援センター・ケアマネジャー・介護サービス事業者と連携して介護体制を整える。それが済んだら仕事に復帰する。これが改正法が目指す姿です。
「平日2時間・休日5時間」が介護離職の分岐点
興味深いデータがあります。介護にかかる時間が「平日2時間、休日5時間」を超えると、仕事を続けることが難しくなり、介護離職につながりやすいという研究結果があります。介護離職で収入が減ると、生活に余裕がなくなり、家族関係も悪化していきます。そうならないためにも、外部の介護サービスをフル活用できる環境を整えることが必要です。そして、そのカギとなるのが「親のお金を凍結させないこと」です。
親のお金を凍結させない4つの準備
親が元気なうちにやっておきたい4つの準備を紹介します。①定期預金を解約して普通口座に移す
定期預金は銀行窓口に行かないと解約できません。高齢になると窓口に行くこと自体が負担になります。元気なうちに普通預金に移しておけば、近くのATMでキャッシュカードを使って引き出しや振込ができます。②年金口座に引き落としをまとめる
年金は本人名義の口座にしか入金できません。生活費や施設費用で引き落としに設定できるものがあれば、年金の入金口座にまとめることで、資金の流れをシンプルにできます。③金融機関の「予約代理人サービス」を活用する
認知機能の低下により本人による取引が難しくなることに備え、あらかじめ代理人(子供など)を指定しておくサービスです。三菱UFJ銀行やみずほ銀行などが提供しており、多くの金融機関で手数料無料です。認知症の診断書を提出すると、指定した代理人が手続きを行えます。④父の相続預金を子供が相続し、母の介護費用として備える
父が先に亡くなった場合、父の金融資産を全て母に相続させるのではなく、一部を子供が相続し、「母の介護費用として保管する」方法もあります。そのお金は、子供名義なので母が認知症になっても凍結されません。母が施設に入る時や介護費用が必要な時に活用できます。最後の手段、実家を売るための「実家信託」
貯蓄が十分でない場合に、施設費用の最終手段として「実家を売る」という選択があります。しかし、親が重い認知症になると、子供が代わりに売ることができません。そのための対策が「実家信託」です。実家信託とは、親と子供が事前に信託契約を結び、不動産登記の準備をしておく制度です。これにより、親が認知症になっても子供の判断で実家を売却でき、売却代金を親の介護・医療・施設費用に充てられます。
実際に実家信託を活用した子供からは、「親が施設に入った時に最後の手段として実家を売れるので、余裕を持ちながら親を支えられています」という声をいただいています。この「安心感」は何ものにも代えがたいものです。
実家信託の3つのメリットは、①子供の判断で売却・資金管理ができること、②家庭裁判所など第三者が関与しないこと、③税金の特例を活用して手元資金を最大化できること、です。
早めの家族会議が介護離職を防ぐ
介護の準備は、「知っているか知らないか」で結果が大きく変わります。何も対策していないまま介護が始まると、子供に大きな負担がかかることは変わりません。
早めに家族会議を開き、親の希望を聞き、お金の状況を整理し、必要な対策を一つずつ進めていくこと。それが、介護離職を防ぎ、親も子供も安心して暮らせる未来への最善策です。
まずは「今の状況を確認する」ことから始めてみてください。
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代表者紹介
NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。
家族信託業界の先頭に立ち、相談者様が安心して使えるようグレーゾーンを明確化にも注力。税理士と協力して行った国税照会により公表されたルールが業界のスタンダードにもなっている。
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・NHK「あさイチ」
・NHK「クローズアップ現代プラス」
・NHK「ニュースウォッチ9」
・NHKラジオ「三宅民夫のマイあさ!」
・日本記者クラブにて記者会見
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