叔父・叔母の相続で、突然呼び出される前に知っておきたいこと
category:
「子供のいない叔父・叔母がいる」という方に、ぜひ読んでほしい内容です。子のいない夫婦の相続が発生した時、甥や姪が突然「相続人」として手続きに呼び出されるケースがあります。しかも、対応が遅れると財産が凍結されたまま1年以上経過することも──。
今回は、子のいない夫婦の終活対策として、甥姪が直面するリスクと、事前に備えることができる対策を具体的にお伝えします。
子のいない夫婦の相続──相続人は誰になるのか
子供のいない夫婦で夫に相続が発生した場合、誰が相続人になるかご存じでしょうか?
夫の両親・祖父母も他界している場合には、妻と夫の兄弟姉妹(またはその子供=甥姪)が相続人になります。法定相続分は妻が4分の3、兄弟等が4分の1です。妻の分が圧倒的に多いとはいえ、相続の手続きでは相続人「全員」の合意が求められます。
銀行預金の解約や不動産の名義変更には、妻と兄弟・甥姪全員で遺産分割協議書を作り、実印を押印、印鑑証明書を提出する必要があります。妻が過半数の相続分を持っていても、多数決のようなルールはなく、妻一人では手続きが進められないのです。
姪が1年半奔走した──実際の事例
こんな事例がありました。子供のいない夫婦で夫が亡くなり、妻が相続手続きを始めたところ、腰を悪くして入院。そのまま施設に入ることになり、相続人への連絡もできないまま手続きが止まってしまいました。
夫の預貯金は凍結されたまま引き出せず、相続税の申告期限も迫っていました。そこで姪っ子さんが「私が協力します」と手を挙げてくれましたが、相続人は妻のほかに夫の兄弟姉妹と甥姪が5人。連絡先も不明で、葬儀の出席簿から住所を探すところから始まりました。
姪っ子さんは、会ったこともない義理の叔父の兄弟姉妹に連絡を取り、「分割内容の確認」「相続税の納税が必要なこと」「妻の施設費用が払えなくなりそうなので急いでほしいこと」を伝え続けました。精神的な負担も相当なものでした。
最終的には合意が得られましたが、相続発生から1年半もの時間がかかり、その間ずっと預貯金は凍結されたままでした。
遺言があれば、すべてが変わっていた
もしも夫が「妻へすべてを相続させる」という遺言を残していたら、この事例の結果はまったく違っていました。
①法定相続分で分けるのではなく、妻が全財産を相続できていた。②妻一人で相続手続きを進められ、夫の兄弟からの同意や実印・印鑑証明書は不要だった。③相続手続きにかかる期間も半年程度で済んでいた──。
結果として、相続税の申告もスムーズに進み、妻の施設費用にも余裕をもって対応できていました。姪っ子さんへの負担も大幅に軽減できていたはずです。
子供のいないご夫婦には、必ず遺言を残してほしいと思います。相続問題をスムーズに解決できることが、甥姪にも頼りやすい状況をつくるのです。
甥姪が安心して頼れる仕組みをつくる
甥姪に頼る場合に知っておいてほしいのは、甥姪は「遠い親族」として扱われるため、生前の手続きも相続発生後の手続きも、基本的には代理・代筆ができないという点です。そのため、権限を法律的に渡しておく準備が必要です。
具体的には、①夫婦それぞれの遺言(妻に全財産を、次に甥姪へという内容)、②認知症対策としての家族信託、③万一の時に財産管理を任せる任意後見契約、④尊厳死に関する意思表示(尊厳死宣言)などを組み合わせることで、甥姪が安心して動ける仕組みができあがります。
大切なのは、「一つで完璧な対策はない」ということです。複数の仕組みを組み合わせ、専門家のサポートを受けながら準備を進めることが、甥姪への負担を最小限に抑える近道です。
子のいない叔父・叔母が元気なうちに、「もしもの時はよろしく」の一言とともに、法律的な準備を一緒に進めることをお勧めします。
SEARCH
代表者紹介
NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。
家族信託業界の先頭に立ち、相談者様が安心して使えるようグレーゾーンを明確化にも注力。税理士と協力して行った国税照会により公表されたルールが業界のスタンダードにもなっている。
実績、お客様へのアフターフォローサービス、家族信託のお手伝いをしたお客様の声は、『代表者紹介ページはこちら』ボタンをクリック
メディア出演履歴
■テレビ出演
・NHK「あさイチ」
・NHK「クローズアップ現代プラス」
・NHK「ニュースウォッチ9」
・NHKラジオ「三宅民夫のマイあさ!」
・日本記者クラブにて記者会見
CATEGORY

