親が認知症になったらどこに相談?目的別相談先パターン3選
親が認知症かもしれないが、どこに相談すればいいのかわからない。親が認知症になった時に相談できる窓口などを知りたい。
高齢のご家族がいる場合には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
認知症の相談先については、今後の介護の問題とも関わってくるため、目的ごとに変わってきます。本記事では、親が認知症かもと思った時の相談先を目的別に分類して、3パターンお届けします。あらかじめ備えておくことによって、いざという時に慌てないために、ぜひ役立ててください。
目次
【1】目的別相談先パターン3選
(1)パターン1:離れて暮らしている場合の介護支援について知りたい
相談先:親御さんのお住まいの地域包括支援センター
介護が始まりそうになった時の地域の支援や介護計画を立てたい、仕事と介護の両立ができるか知りたいなどの場合には、地域包括支援センターにまずご相談いただくのが良いと思います。
包括支援センターに相談すると担当のケアマネージャーの方がつき、離れて暮らしている場合の現地の親御さんについての生活の相談先になってくれます。また、各種介護サービスについても精通していますので、日常の親御さんについてどのように暮らしていけるのかどうか、そのための介護サービスとしてどのようなものがあるのかなどを確認し、介護計画の策定も一緒に作っていくことができます。
本人・家族と介護支援のハブ役になってくれ、離れていて何か心配事が生じた時に電話で相談することができるなど、離れて暮らしている子供さんにとっても頼れる存在です。
また、介護サービスの実現に欠かせない「要介護認定」の申請手続きについても聞くことが出来ます。こちらは自治体の担当窓口に申請手続きを行い、その後の認定調査(担当者が訪問して高齢のお父様お母様の状況を確認ヒアリングする)、審査を経て結果が通知され、介護サービス計画(ケアプラン)を完成できます。申請から結果の通知までは約30日程度かかります。
コラム
その他に「日常生活自立支援事業」というサービスもあります。こちらは社会福祉協議会が実施しているサービスです。
日常生活自立支援事業は、高齢で認知能力が弱った方に対して、担当の専門員や生活支援員が付き添うなどして、以下のような手続きを低い金額で受けられるサービスです:
- 福祉サービスの利用における申し込みの契約や代行
- 病院への医療費の支払い手続き
- 年金や福祉手当の受領手続き
- 銀行への同行
※国会で社会福祉法の改正案が6月に通過成立して、日常生活自立支援事業について今後、担い手などに民間の企業が参入する等、今後の利用の促進が見込まれています。
(2)パターン2:認知症の症状を遅らせたい場合
相談先:かかりつけ医や、専門病院
病院や専門医などで診察を受けることにより、今の状況などを確認することができます。
また、「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる、認知症と診断される一歩手前の状態の方もいます。放っておくと認知症に進行しますが、適切な予防をすることで健常な状態に戻る可能性があります。
MCI(軽度認知障害)については、厚生労働省が出している下記のハンドブックにて分かりやすく解説されていますので、よかったらご覧ください。
(3)パターン3:お金が下ろせなくなるなどの財産凍結が心配な場合
相談先:家族信託や任意後見契約などを生業としている専門家(司法書士など)
よくテレビなどでも「認知症と診断されると銀行預金が下ろせなくなる」などのニュースが放映されているので、目にしたことのある方も多いと思います。
実際のところは、認知症と診断されたとしてもその症状には軽度から重度まであり、軽度で契約能力が認められる場合には、銀行手続きなどをすることもできます。
ただ、認知症が進行して重度になると、手続きができなくなってしまう危険が生じます。
事前にまだ手続きできる段階で、家族信託や任意後見契約を、介護する側の子供との間で結んでおけば、「預金が下ろせなくなる」「親が施設に入って空き家になった不動産を処分できなくなる」などの問題を未然に防ぐことができます。
事前に対策をしておくことで、子供側の将来的な負担が何十倍も軽減されるので、こちらも合わせて行いたいところです。
(補足)
①家族信託とは
あらかじめ守りたい財産を特定して、子供との間で家族信託契約を結んで対策しておくことで、親が認知症などになっても子供の判断でその任された財産については、必要に応じて動かすことができる(お金を引き出したり払い込みをしたり、不動産については親の代わりに売却をし、売却をしたお金を子供の方で管理ができる)契約。
※詳しくは下記のページに動画解説付きで家族信託について紹介しています
↓
家族信託の仕組みや注意点を動画で簡単解説
②任意後見契約とは
まだ契約能力があるときに、子供と一緒に公証役場に行って、将来財産管理ができなくなったときの後見人として子供をあらかじめ指定しておける契約。
元気なときは親が管理し、もし重い認知症などで財産管理ができなくなったときには、子供がその契約書を持って家庭裁判所に申し立てることにより、優先的に後見人に選ばれる。後見人として、預金の管理や施設の入居手続き、不動産の売却などを行うことができる。
【2】最低限やっておきたいお金のかからない対策:
上記の相談や手続き、専門家を交えての家族信託や任意後見の対策においては、費用がかかるものや、また時間が大きくかかってしまうところもあります。
そのため、並行して下記のようなお金のかからない対策を見ておくことで、少しでも安心度が増します。
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親の定期預金を普通預金にする
親御さんの預金が定期預金にまとまっている場合には、銀行窓口に行ける間に当該定期預金を解約し、普通預金口座に預け入れておいた方が、後々の操作がとても楽になります。
定期預金の場合には原則として本人が銀行窓口に行って手続きをしなければいけないですが、普通預金の場合には、最寄りのコンビニなどのATMでキャッシュカードを使って引き出すことができます。親からの依頼のもと、子供がキャッシュカードと暗証番号を持って、代わりに現金を引き出すといったこともできます。
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親の預けている銀行が「予約型代理人サービス」を提供しているかを確認し、提供している場合にはそのサービス申し込みをする
予約型代理人サービスは、銀行の新しいサービスです。あらかじめ子どもなどを届け出ておくことによって、親が認知症の診断を受けた際には、その診断書を銀行に持っていくと、その後の預金の様々な手続きについて、あらかじめ指定された子どもが代わりに手続きをできるようになります。
銀行によっては無料で提供しているところもあります。
新しいサービスで徐々に広がってきておりますが、まだ提供していない銀行も多数あります。
お父様やお母様がお持ちの銀行口座を確認し、当該銀行が提供しているようであれば、事前に届け出を出しておいた方が安心です。
当該サービスを提供している金融機関や証券会社については、別のコラムにてまとめていますので、よかったらそちらもご参照ください。
↓
認知症で銀行口座が凍結した実際の事例!口座凍結の流れと対策を解説
※末尾に、「予約型代理人サービスを実施している銀行および信用金庫」一覧を掲載
【3】まとめ
親が認知症になったらどこに相談すべきかについて、実際に倒れた後に調べて行動しようとすると、すべてが後手後手になりがちです。
その結果、介護負担が重くなり、仕事と介護の両立に支障をきたして、仕事を辞めざるを得なくなるという悪循環に陥るご家族もいらっしゃいます。しかし、それでは今度は自分の次の世代にツケを残すことになってしまいます。
そうならないように、あらかじめ「どこに相談すべきか」「どのような対策ができるか」を確認し、家族で話し合って備えておくことによって、安心して日頃の生活を送っていくことができます。
もし一度相談をしてみたいという場合には、問い合わせフォームからご連絡ください。Zoomなどを利用して全国どこでも対応していますので、お気軽にご連絡ください。
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NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。
家族信託業界の先頭に立ち、相談者様が安心して使えるようグレーゾーンを明確化にも注力。税理士と協力して行った国税照会により公表されたルールが業界のスタンダードにもなっている。
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