大家さんの認知症トラブル!なぜ成年後見人制度は大家業に向かないのかを分かりやすく解説!

こんにちは、司法書士の友田です。

大家である親が認知症などで
管理が難しくなった場合に、子どもが
代行していることがあります。

親の実印も子どもが管理しており、
必要な場合には代わりに押印する。

しかし、この行為は法律上は問題です!
子どもだからといって、親を代理する権限は
無いためです!

唯一、国の制度として用意されているものが
成年後見制度になります。

しかし、特に大家さんにとっては利用し難い制度です。


なぜ成年後見人制度は大家業に向かないのか、
本日は解説をしていきます!


1.“認知症トラブル”は長期間続くもの
“認知症トラブル”の怖いポイントは
すぐに解決できないことです。


仮に、大家さんに相続が発生したら、子どもに権限が
移る可能性もあります。

しかし“認知症トラブル”の場合には
不動産に関する権限はまだ親にあります。

親だけが不動産に関する家賃の請求などを
することが出来、子どもにはする権限が無いのです。

その不安定な状態が、5年や10年と長い期間、
親が亡くなるまで続いていくのです。

唯一、親を代理できる権限があるのは
成年後見人になります!



2.なぜ成年後見人制度は大家業に向かないのか!


成年後見人は、家庭裁判所に頼んで
契約能力が難しい親の代わりに、
財産管理や権限を使える人を
選任してもらう制度です。

ただ、使いづらい制度でもあります。

(1)まず、成年後見人には親族は選ばれづらく、
司法書士や弁護士などの専門家が選ばれる
傾向が高いです。


特に大家さんなど財産が大きい方は、
ほぼ専門家が選ばれると思って良いと思います。


(2)そして専門家が選ばれた場合には、
親の通帳や印鑑、不動産の権利証などの一切は
選ばれた専門家が管理します。


子供が管理していた場合には、後見人に引き渡す義務が
生じます。
家賃の入金口座の通帳も、専門家に渡さなければならず、
子供がリアルタイムで入金状況や残高を確認することは
できなくなります。

通帳の収支を確認したいと思っても、
通帳の状況を家族に伝える義務は後見人にはなく、
教えてもらえない可能性もあるのです。


(3)さらに、賃貸不動産に関する請求や契約も、
選ばれた専門家が行い、さらに家庭裁判所の監督が入ります。


家賃請求などの行為はできるようになりますが、
大家業へはとても大きなダメージを受けます。

なぜなら、家庭裁判所や専門家後見人は
大家業に向いていないからです。


➀「入居者の問い合わせにスピーディーに回答できない。」

家裁への確認が必要となると、1~2週間以上かかる可能性もあります。

➁「細かい交渉事は苦手」

例えば、入居者から収入が厳しく家賃の支払いについて
相談があったとしても、後見人として首を縦にふることは
なかなか難しいです。

なぜなら、『本人の財産を減らす行為』であり、
後見人としてペナルティーとなる可能性があるからです。

➂「月々の後見人報酬の他に、付加報酬が発生する」

専門家後見人には、年間で24万円~72万円の
報酬を請求されます。

加えて、滞納家賃請求などの業務をした場合には、
付加報酬も請求されます。
日常業務以外のこともしたとして受け取れるボーナスのようなものです。

それぞれ、本人の財産額や後見人の仕事量などを確認し、
家庭裁判所が金額を決定します。

いずれにしても、支出が増え、収益が悪化することになります。
また、増えた支出は不動産経営の経費とすることは
難しいでしょう。

3.大家さんの認知症悪化は、時限爆弾になる!


大家さんである親が認知症悪化しても、
それが知られていなければ、
子どもが代行していて、手続きをすることも
出来なくはありません。

でも、周りに気づかれたときには、
子どもが親の代わりにしていた手続きは
難しくなります。

大家が認知症の不動産は
訳あり物件となります。

不動産管理会社からも今まで通りの
対応はしてもらえなくなる可能性があります。

親の銀行預金が凍結され、
引き出しや振り込み、自動引落し等
全てできなくなる可能性もあります。

これはいつ爆発するかわからない
時限爆弾を背負うようなものです。


子どもとしては、いつ親の認知症がばれ、
爆発するかもしれない不安と
戦っていくことになります。

契約能力が難しくなる原因は
認知症悪化だけでなく、脳梗塞もあるので注意です。


家族信託を利用いただいたお客さんで、
借主から家賃減額請求の訴状が送られてきた事件もありました。


家族信託をしていたので受託者である子供が対応できましたが、
もしも何もしていなかったら、訴状に対応するため
専門家後見人を就けざるをえなかったかもしれません。

不動産は先祖から引き継いだ財産です。
まさかのときに、子供が対応できるように、
準備しておくことをおすすめします。

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(3)1〜3本目(11月号〜1月号解説)までの動画で、
家族信託の背景、基本的な仕組み、注意点を解説しています。

——————————

安易な成年後見制度の利用は家業に大打撃を与える

②家族で不動産経営を守る!大家さんのための家族信託活用術

家族信託でできないこともある「農地」「借地」「損益通算」に要注意

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(4)その他にも、気に入ったタイトルをクリックして先に見ることもできます。



【参考になる動画シリーズ】


(1)他では、あまり聞けない徹底比較

「後見」や「家族信託」対策によって、
できることがどう変わるのか!
 ・贅沢な食事を買うことはできる?
 ・性能の良い車イスを買うことは
 ・ブランド品の購入は?
などなど具体的事例で、動画で分かりやすく解説
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成年後見と家族信託、任意後見を徹底比較!できること、できないことを分かりやすく解説

(2)対策の違いは分かったけれど、結局我が家にはどれが向いてる?

家族信託に決めたご家族の意思決定のポイントについて
動画で分かりやすく解説しています。
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法定後見・任意後見・家族信託、結局どれを選択する?選び方を解説!

(3)意図せずに成年後見が就いてしまう??

成年後見の利用はコントロールが難しい。

意図しないきっかけで、後見制度の利用が
迫られてしまうこともあります。

ただ実は後見利用のきっかけの上位パターンは
公開されています。

傾向が分かれば、対策が打てる。
その内容について、分かりやすく解説しました。
↓↓↓↓↓
認知症の親の対策!意図しない成年後見の利用を避けるために知っておきたい3つのこと

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