相続の不動産漏れを防ぐ制度がスタート!所有不動産記録証明制度を解説

category:

相続の不動産漏れを防ぐ制度がスタート!所有不動産記録証明制度を解説

①法務局で不動産の一覧情報を取得できる!
②制度導入の背景は?どのように活用するの?
③この制度で本当にすべての不動産を網羅できる?


みなさま、はじめまして。
司法書士法人ソレイユの手嶋尚之と申します。

はじめてこのコラムを担当させていただきますが、
みなさまにとって、
有益な情報をお届けできれば幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

今日のテーマは、

法改正により新しく導入が決まった
「所有不動産記録証明制度」

です。

私たち専門家にとっても
待ち遠しかった制度になります。

わかりやすく解説しますので、
どうぞ最後までおつきあいください!


①法務局で不動産の一覧情報を取得できる!


所有不動産記録証明制度とは、


ご自身や被相続人(お亡くなりになった方)が

所有している不動産についての
一覧情報の証明書を取得できる制度

です。

まだ正確な導入時期は決まっておらず、
2026年(令和8年)4月までに、
導入される予定です。

不動産の所有者ご本人、またはその相続人が
法務局において手数料を支払って、この証明書を
取得することができるようになります。

例えば、東京在住のAさんが、
東京、北海道、福岡に
不動産を所有している場合に、
Aさん自身や、Aさんの相続人が
東京の法務局で、Aさんが所有している

「東京、北海道、福岡の不動産を
リスト化した証明書」


を取得できるようになるわけです。

現在は、これに近い制度として、
市区町村で取得できる
「固定資産納税通知書」や「名寄帳」を用いて、
所有不動産の調査ができます。

ただし、それぞれ問題があります。

「固定資産納税通知書」では、
非課税となっている不動産は
通知書には載ってこない場合があります。

「名寄帳」では、
他の市区町村にある不動産は
記載されません。

そのため所有不動産の全てを
網羅的に把握するには不足していました。

この点、所有不動産記録証明制度ですと、

全国の全ての所有不動産を網羅して、
法務局で調べることが可能となります。




②制度導入の背景は?どのように活用するの?


では、どのようなシーンでこの制度を
活用することができるのでしょうか?

ポイントは、

「相続登記漏れ」の防止です。


2024年(令和6年)4月1日より、

不動産の相続登記が義務化

されます。

このことについては、過去のコラムにおいて
分かりやすく解説しておりますので、
よろしければご覧ください。

相続登記の義務化ってどんなこと?
背景や内容、対策についても専門家が分かりやすく解説


相続登記の義務化ってどんなこと?背景や内容、対策についても専門家が分かりやすく解説




所有不動産記録証明制度は

この相続登記の義務化を背景に、

相続人が相続する不動産を調べる
手間を軽減させることや、


相続人が把握していない不動産の
相続登記が未了のままになってしまう、
いわゆる

「相続登記漏れ」を防ぐために


新設されました。

例えば、

被相続人が多くの不動産を所有

していて、
相続人がその全てを把握していないケース。

普段あまり付き合いのない兄弟姉妹間の相続

で、不動産を取得することになったが、
被相続人が所有している不動産を
把握できていないケース等。

この制度を利用すれば、
被相続人が所有する不動産を
網羅的に把握することができ、
相続登記漏れを防ぐことが可能となります。

もちろん、

ご自身が所有する不動産の確認方法
としての利用も可能です。




③この制度で本当にすべての不動産を網羅できる?


ただし、所有不動産記録証明制度には問題点が
あるとの指摘もございます。

法務省の発表によると、
一覧情報の証明書の申請には

不動産の所有者の氏名・住所を基に
その一致をもって、
所有不動産の一覧情報が表示され、
証明書として発行されるとのことです。



そのため、不動産の所有者が

結婚して名字が変わった場合

引っ越しをして住所が変わった場合

には、変更後の氏名・住所が
不動産の登記記録に反映されている必要があります。

反映されていないと、
「所有者の情報」と「不動産の登記記録上の情報」が
異なってしまい、所有しているはずの不動産が
証明書に記載されず、
漏れが生じるという事態になってしまいます。

また、不動産は所有しているが、相続登記が
なされておらず、

所有者の名義が先代のまま

になっている場合も同様です。

ですので、この制度を活用するには不動産の

所有者の氏名・住所が変わった場合には
登記記録上の氏名・住所にも反映させることが必要です。


この点においては、
住所・氏名変更登記の義務化や、
住民票の移動が法務局に伝わり職権で住所変更が
される新制度なども合わせて運用される予定です。


これらの問題点の解消を含め、
制度の運用については、
現段階ではまだ決まっていない事項もございますので、
決定次第、再度お知らせできればと思います。


いかがでしたか?

私たちソレイユでは、このような改正法についての
定期的な所内勉強会を行っています。

スタッフみんなで情報を共有し、
常に知識をアップデートしています!


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

司法書士法人ソレイユへのお問い合わせは

こちら

オンラインでご面談をご希望の方は  

こちら

ご不明な点は、
司法書士法人ソレイユまで
お問い合わせください