実家を家族信託した場合の注意点・デメリットについて(後編)

前回に引き続き、
実家を家族信託した場合の注意点デメリットについて
お伝えをしていきます。
長文のため、前編・後編に分けてお届けします。

前編をまだご覧になっていない方はこちらから
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実家を家族信託した場合の注意点・デメリットについて(前編)




家族信託を検討中の方に向けて
最後まで読むと、家族信託の注意点なども
わかります!

実家を家族信託した場合の注意点・デメリット


1、不動産の名義が受託者である子供に変わる
2、納税通知書の請求が受託者である子供宛に来る
3、受託者である子供から受益者である親への報告義務がある
4、実家を売却した時に信託計算書という書類の税務署への提出が必要になる可能性あり
5、受益者が死亡し受益権承継が起こった場合、税務署への書類の提出が必要になる


 ※1~5までは前編にて掲載、今回は6~9まで掲載。

6、出口戦略は、信託した実家を売り、信託終了することで登録免許税を節税できる
7、自宅の敷地の一部が農地の場合には信託できないこともある
8、土地が借地の場合には、貸主の承諾が必要になる
9、抵当権などがある場合には債権者である銀行の了承が必要になる



6、出口戦略は、信託した実家を売り、信託終了することで登録免許税を節税できる


親御さんの認知症対策としての
家族信託(実家信託)を検討している方が多のではと
推察しています。

親御さんが亡くなると
契約書であらかじめ定めた通り
受益権が承継されます。

子供が受益権を承継した場合には、
「親の認知症対策」という信託の目的は
達成できたので、
信託を終了させることになります。

その際に、実家不動産を売らずに残っていた場合には、
信託を終了させ、承継者である子供に
不動産の所有権を戻す登記手続きが必要になります。

その時には、登録免許税という税金がかかります。
(この場合の登録免許税は
原則として、固定資産税の0.4%)

しかし、

信託の状態を継続して
受託者が実家を売却し「お金に変えた後」に
信託終了をした場合には
不動産登記の手続きは不要になるため
登録免許税を節税することができます。



なお、受益者を親から子供に変更する登記手続きには
不動産1個につき1000円の税金かかります。

また、信託の状態を継続して売買した場合、
買主名義にするための登録免許税は原則買主負担ですが、
信託の抹消のための登記手続き分の税金は
売主(受託者)負担となることが多いです。
その場合も、不動産1個につき1000円の税金となります。

そのため、
近日中に信託した実家を売却する予定であれば、
売却しお金に変えてから
信託終了をさせた方がかかる登録免許税は
節税できます。

ただし、手続きには専門家費用もかかるので、
実際の費用を知りたい方は
専門家へ問い合わせください。


7、自宅の敷地の一部が農地の場合には信託できないこともある


自宅敷地の一部の地目が「畑や田んぼ」の場合には、
当該土地は家族信託をすることができません。



ただし実質的には宅地と扱われており、
登記簿上の地目表記だけが
「畑や田んぼ」のままになっていた場合には、
地域の農業委員会への手続きを経て
家族信託をできることもあります。

「我が家の場合どうなのか」については、
ご相談ください。


8、土地が借地の場合には、貸主の承諾が必要になる


親の実家について、
建物は親の所有物だが、

土地は借地であった場合には、
家族信託をするためには
『貸主の承諾』が必要になります。


ただし、この場合には、
「貸主より承諾料を求められること」や
「貸主からの承諾がもらえず
家族信託ができないこと」もありえます。


9、抵当権などがある場合には債権者である銀行の了承が必要になる


住宅ローンなどの返済が継続中の場合、
家族信託(実家信託)をして、
名義を親から子供へ変えるには、
抵当権者である銀行に事前確認をする必要があります。



銀行に知らせずに勝手に家族信託の手続きを
してしまった場合には、契約違反として
一括返済を求められる可能性もあります。

そして承諾が必要になる場合には、
銀行内の審査で、期間も1か月ほどかかる可能性もあり、
スケジュールに注意をして進めていく必要があります

また、銀行内の審査の結果、家族信託(実家信託)自体が
承諾されないこともあります。


以上、実家を家族信託した場合の
注意点・デメリットについて見ていきました。


親の介護を子供が担っていく場合に、
お金の不安はどうしても出てきてしまいます。
そして、実家不動産については、
親の介護費用を捻出するための最終手段です。


注意点・デメリットは
どうしても出てきてしまう。

しかし万が一の時には、
実家を売ってお金に変えて、
その中から子供側で親の介護費用を
支払っていくことができる安心は
とても大きいものになります。


ソレイユでは家族信託(実家信託)契約時だけではなく、
家族信託(実家信託)契約後の不明点や疑問点などについての
問い合わせ対応は原則無料で行なっています。

実際に実家の家族信託を考えている場合には、
注意点やデメリットも知った上で進める方がベターです。

今回の内容がご参考になれば嬉しいです。
ご覧いただき、どうもありがとうございました


【本日のまとめ】
実家を家族信託した場合の注意点・デメリット

1、不動産の名義が受託者である子供に変わる
2、納税通知書の請求が受託者である子供宛に来る
3、受託者である子供から受益者である親への報告義務がある
4、実家を売却した時に信託計算書という書類の税務署への提出が必要になる可能性あり
5、受益者が死亡し受益権承継が起こった場合、税務署への書類の提出が必要になる
6、出口戦略は、信託した実家を売り、信託終了することで登録免許税を節税できる
7、自宅の敷地の一部が農地の場合には信託できないこともある
8、土地が借地の場合には、貸主の承諾が必要になる
9、抵当権などがある場合には債権者である銀行の了承が必要になる
※1~5までは前編に掲載。
本記事では6~9についてを掲載。

(友田純平筆)

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NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」

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家族信託業界の先頭に立ち、相談者様が安心して使えるようグレーゾーンを明確化にも注力。税理士と協力して行った国税照会により公表されたルールが業界のスタンダードにもなっている。

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