金銭の認知症対策、ちょっと待って!!家族信託だけじゃない他の手法も解説

金銭の認知症対策、ちょっと待って!!家族信託だけじゃない他の手法も解説

(1)目的は、認知症対策!
(2)「相続税がかからない」「一人っ子」のご家族はまず生前贈与から検討する
(3)金銭だけの場合には銀行の認知症対策サービスもある
(4)不動産も対策したいなら家族信託がおすすめ



司法書士の友田純平です。

このコラムでは、
親の介護に振り回されず、
子供世代の老後資金や安心生活を
守っていくために必要な情報を配信しています。

「親の預貯金を信託したい」
その場合に、家族信託が
必ずしもベストではありません!

他にどのような選択肢があるのか、
それぞれのメリット・デメリットについて
気になりませんか?

家族信託ありきではなく、
他の方法も知ることで、


我が家にあった対策を
することができます。

 
ぜひ最後まで、ご覧ください。

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<まとめ>
(1)目的は、認知症対策!
(2)「相続税がかからない」「一人っ子」のご家族はまず生前贈与から検討する
(3)金銭だけの場合には銀行の認知症対策サービスもある
(4)不動産も対策したいなら家族信託がおすすめ
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(1)目的は、認知症対策!

ご相談者さんの希望を聞くと、圧倒的に多いのは、

認知症の親の預貯金について、
なんとか成年後見制度を利用せずに、
子供の判断で動かせるようにしたい。


親の預貯金の中から、
親の生活費、医療費、施設の費用を
支払えるようにしたい、という希望です。

つまり、

認知症対策です!

 
そのための一つの手法として、
家族信託がありますが、
他の選択肢もお伝えし、
別の手法を選択する方もいます。

下記にて、各種方法を見ていきます。

 

(2)「相続税がかからない」「一人っ子」のご家族は生前贈与から検討する

家族信託以外の手法として、

親から子供へ介護に必要となる金銭を生前贈与

する方法があります。


生前贈与することによって、
子供のお金になり、

子供の口座にいれるため、
親の認知症により凍結はしません。


 

特に、「相続税がかからない」かつ
「一人っ子」のご家族には有効です。

 

相続税がかからないご家庭では、
贈与税を回避する方法があるからです。


それが

相続時精算課税制度です。

 

相続時精算課税制度は、
生前の親世代から子供への資金移動の
ハードルを下げる目的で作られた制度です。

通常、生前贈与をすれば贈与税がかかりますが、
この相続時精算課税制度の申告を行うと、
贈与税はかかりません。
その代わりに将来の相続の時に相続財産に含めて計算し、
基礎控除を超えていれば、相続税を払うという制度です。

基礎控除とは、
「3000万円+(600万円×相続人の人数)」
で計算できる金額で、
親の財産が基礎控除以内であれば、
相続税はかかりません。


例えば、相続人が2人の場合には、
基礎控除は4200万円となります。

親の財産が、4200万円以内の場合には、
相続時精算課税制度を利用すれば贈与税がかからず、
かつ相続の時にも、基礎控除以内のため相続税もかかりません。
(豆知識として、相続時精算課税制度では、
2500万円を超える贈与では一定の課税がありますが、
相続税額が少ない場合は差額が還付されます。)

そのため、贈与税も相続税もかけずに
生前に親から子供に資金移動をできるのです。

 

しかし、デメリット・注意点が3つあります。

 

1つ目のデメリット・注意点は、

贈与したお金を取り戻せない

ということです。

贈与して、面倒を見てもらうつもりだったけど、
その後に不仲になったため、贈与したお金を
戻してほしいと思っても、なかなか難しいです。

2つ目のデメリット・注意点は、

兄弟姉妹がいる場合には、
相続発生時にトラブルになることがある点です。


 
生前贈与したお金はたとえ残ったとしても、
贈与を受けた者の財産であり、相続財産から外れるためです。

例えば、親の介護費用などを試算して、
2000万円かかると考え、
長男に生前贈与をしたところ、
実際には500万円しかかからず、
親に相続が発生した場合に、
使わなかった1500万円は長男のものになります。

しかし、「当初の話と違う」と言って、
弟・妹が不満を持つ可能性もあり、
相続時の遺産分割の話し合いでトラブルにつながります。

そのため、実行する場合には、
兄弟姉妹も同席のもと、家族会議を開催し、
相続が生じたときの財産の分け方も固めてから
実行することがベターです。
 
もしも家族会議が難しい場合でも、
遺言も残し、長男に負担がかからないようにすべきです。

一方で、一人っ子の場合には、
そのような問題が生じないので
実行しやすいです。

そして、3つ目のデメリット・注意点は、

親名義の不動産について対策をしたい場合です。


 
不動産の場合には、贈与税の他に、
不動産取得税や不動産登記登録免許税等の
税金がかかります。
この金額が多額になり、諦めた方もいました。

また、子供に贈与したことで、
実家の売却時にマイホーム特例が使えなくなるなど
不利になる可能性もあります(詳細は後述)。

そのため金銭だけでなく、不動産も対策したい場合には、
自分では行わずに専門家に相談して方法を
決定した方がいいでしょう。
 

(3)金銭だけの場合には銀行の認知症対策サービスもある


各信託銀行においても、
認知症対策サービスに力を入れています。


 
その仕組みは、

子供が医療費などの請求書・領収書を持っていけば
信託銀行に預けている親のお金から
出金してくれるイメージです。


 
これにより、使途不明金が発生しづらく、
将来の紛争を予防できます。

また、信託銀行によっては、
元気なときには親自身が使うことができ、
万が一認知症等が悪化した時点で
子供に切り替えることも可能です

各信託銀行のサービス名などを一部紹介します。
——————————
・三菱UFJ信託銀行 「つかえて安心」
https://www.tr.mufg.jp/shisan/tsukaeteanshin_02.html?id=tokucho
・りそな銀行 「マイトラスト」
https://www.resonabank.co.jp/kojin/shoukei/mytrust.html?bank=rb_unite
・みずほ信託銀行 「認知症サポート信託」
https://www.mizuho-tb.co.jp/souzoku/ninchisho_support.html
・三井住友信託銀行 「100年パスポートプラス」
https://www.smtb.jp/personal/entrustment/passport_plus
など

詳細は、各金融機関のページをご覧ください。
——————————

また、遺言機能も付けられ、
残ったお金について誰に相続させるかを
定めておくこともできます。

 

一方で、デメリット・注意点も2つあります。


 
1つ目のデメリット・注意点は、

信託銀行の手数料がかかることです。


 
商品ページを確認すると
それぞれの金融機関によって、
手数料も異なっていますが、
スタート時には、
概ね対象となる金銭の1%以上の
手数料がかかるようです。

また数千円のランニングコストが
発生する金融機関もあります。

管理方法、入出金指示についても
金融機関によって仕組みが異なるようです。

スマホアプリを活用しているところもあります。
ページを横断して確認するといいでしょう。

2つ目のデメリット・注意点は、

不動産は扱えないことです。


 
扱えるのは「金銭だけ」です。

 

(4)不動産も対策したいなら家族信託がおすすめ

不動産の認知症対策をした場合には、
前述の「生前贈与」や「銀行の認知症対策サービス」と比べて
家族信託が優れています!

 

家族信託の場合には、

専門家に相談して
オーダーメイドに組み立てていきますので、

金銭だけでなく、不動産や有価証券など
幅広い財産を対象にできます。


 
不動産について対策を行いたい場合に、
「銀行の認知症対策サービス」ではそもそも取り扱いがないですし、
「生前贈与」をしようとすると贈与税の他に、
不動産取得税や不動産登記登録免許税が多額にかかります。

先述の通り、税金の負担額を見て、「生前贈与」での
導入を諦めた方もいました。

しかし、家族信託であれば、
贈与税・不動産取得税は課税されませんし、
不動産登記登録免許税も贈与の場合と比べ
5分の1以下に圧縮できます。


 

また、家族信託であれば、
親の自宅について
売却した時にマイホーム特例を利用できるため、

売却に係る利益が3000万円までは所得税がかかりません。


 

結果として手残りの金額を多くできます。


 
生前贈与では、所有者が親から子供に変わってしまうため、
住んでいない子供が売却する場合には、
マイホーム特例は利用できず、
子供に所得税が課税されます。

自宅を売却するタイミングは、
親の施設費用が必要になる場面が多いため、
手残りはできるだけ多く残したいところです。

 
但し、家族信託を利用する場合には、
専門家に依頼する必要があるため、
その費用が掛かってきますため、
見積りを確認し進めることが必要です。

以上、金銭の認知症対策を考えた場合の
各種手法について解説をしてきました。

 

家族信託以外の方法もありますので、
メリット・デメリットを比較して、
我が家にあった方法を選択してください。


 
家族信託の専門家費用については、
分かりづらい部分があるため
下記のコラムにて解説をしています。
↓↓↓↓↓↓↓↓
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また、実家不動産の家族信託も詳しくは下記のコラムで
解説しています。分かりやすい動画解説もあります。
↓↓↓↓↓↓↓↓
実家こそ認知症対策を!実家を家族信託するメリット!

知っているか知らないかで未来が変わります。

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NHK「クローズアップ現代プラス」に出演。「家族信託のトップランナー、司法書士」

早くから認知症対策のへの必要性を感じ、10年以上前から家族信託に取り組む。取扱い実績の総額は100億円を超える。

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